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ブログ 20 OCT

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2017年 10月 20日

今季のテーマ  雑 - ざふ -

 森林限界に近い開けた秋の山の斜面では、鳴き交わす鹿の声が遥か下の谷間から昇ってきます。枯れ枯れとした草の間に間に、ほんの時折、目の覚めるようなリンドウの紫や、咲き遅れた野路菊の淡い藤色が目に飛び込んでくるのを除けば、深く長い眠りに就こうとしている高原はどこまでも穏やかな景色です。踏みしめる自分の足音にさえ驚くほどの静けさ。鹿の声を悲しいと詠った名歌を思い浮かべますが、ここではむしろ、生命を哮(たけ)っているかのように聞こえます。もしも死者の国があるとしたら、遠くかすかに生者の営みを聞く、こんなにも優しい、静かな場所でしょうか。この山に暮らすようになってから、秋が一番好きな季節になりました。

商品番号 1108  紅葉に鹿図蛤蓋物    横径  13.7 cm  高さ 9.8 cm

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